糸引き金型の入口領域はその重要なパラメータの1つであり、線材が金型に入る際の接触点が糸引き金型圧縮領域の同じ高さ位置にあることを確保し、同時に線材のスムーズな進入を促進する必要がある。入口領域は滑らかな外形を備え、潤滑領域と圧縮領域を接続し、潤滑剤が糸引き金型の作業表面に到達できるようにしなければならない。

潤滑領域の役割は、潤滑剤を貯蔵して作業領域に搬送することである。潤滑ゾーンのテーパ角は、潤滑剤粘度、線材直径、潤滑ゾーンの長さによって異なる。液体潤滑剤が作業領域にスムーズに入るためには、一般的に大きな潤滑領域のテーパ角を選択する。テーパ角が小さすぎると、潤滑剤が入らず、潤滑効果が悪く、潤滑剤が詰まる可能性もあります。一方、テーパ角が大きすぎると流体動圧効果の形成に不利である。また、潤滑ゾーンの長さも潤滑効果に影響します。一般的に、潤滑領域が長いほど潤滑効果が高い。

作業領域は線材が塑性変形する領域であり、寸法パラメータは作業領域のテーパ角と作業領域の長さを含む。作業領域のテーパ角は糸引き金型のパラメータであり、糸引き金型内の孔に加わる圧力の大きさと分布規則、および糸引き応力が線材の機械的性能に与える影響を決定する。作業領域テーパ角は引抜き環境によって変化し、より低い引抜き応力を保証するために、より良い作業領域テーパ角範囲が存在する。線材軸線と伸線金型内孔軸線とが同心を確定することが困難であることに加え、これまでの伸線過程による伸線金型内孔の摩耗により線材直径が増大し、この2つの要素はいずれも線材が変形領域以外で変形する原因となる。したがって、作業領域の長さは実際の変形領域の長さよりも大きくなければなりません。

定径領域の直径寸法は線材の公差と引き抜き時に発生する弾性変形に基づいて決定されるとともに、金型の使用寿命を考慮して、通常線材の負の公差寸法を選択する。定径領域の長さを決定する際には、十分な耐摩耗性を備え、引き抜き過程で消費されるエネルギーを満たし、線材破断の可能性を減らす必要がある。定径領域が長すぎると摩擦、熱、エネルギー消費が増加し、線材の直径が縮小したり破断したりする可能性があります。一方、定径領域が短すぎると、線材の揺れと竹節形の出現を招き、同時に糸引き金型内の穴の摩耗を加速させ、寸法が極端に悪くなる。一般に、線材の直径が大きいほど、定径領域の長さは短くなる。

減圧領域は線材が糸引き金型の定径領域を通過した後、極大圧縮を経て逆テーパ領域に入り、線材の直径が大きくなり、表面が直接減圧領域に接触する。糸引き金型の減圧領域が粗すぎると、糸表面に傷がつくことがあります。

出口領域は90度の角度を形成している。このような角度は、再加工を必要とせずに何度も元のサイズに戻すことができるように、幅の広い出口を有利にする。出口領域は一般的に重要ではないと考えられているが、糸引き金型に出口領域がないと、定径帯の後縁が割れたり、はがれたりして糸引き金型が破損する可能性がある。